女性のHPV自己採取検査|やり方と子宮頸がん検診との違い
自己採取で分かるのは「高リスク型HPVに感染しているかどうか」だけです。細胞に変化が起きているかどうかは分かりません。長く検診を受けていない方の一歩目にあたる検査です。
台中市西区の陳昭安(チェン・チャオアン)医師(泌尿器科専門医)が解説します。
結論から
- 自己採取が調べるのはウイルスで、細胞ではありません。HPVの型は分かりますが、細胞に前がん変化があるかどうかは分かりません。
- そのため、子宮頸がん検診(細胞診)の代わりにはなりません。長く検診を受けていない期間を埋めるための検査です。
- 陰性は、リスクがないという意味ではありません。その後も、勧められた間隔で細胞診を受けてください。高リスク型が検出されても、がんという意味ではありません。
- 不正出血やおりものの変化がある方、以前に細胞診で異常を指摘された方は、自己採取ではなく受診してください。
ご自身はどちらに当てはまりますか
検診を長く受けていない
自己採取から始める選択肢があります。どの方法を選ぶかよりも、まず受けることが大切です。
症状がある・過去に細胞診で異常
自己採取で代用せず、医師による採取と評価を受けてください。
この検査は何を調べているのか
ヒトパピローマウイルス(HPV)の高リスク型(16型・18型など)の持続感染が、子宮頸がんの主な原因です。これまでの子宮頸がん検診は、医師が子宮頸部の細胞を採って調べる細胞診が中心でした。
HPV DNA検査は、検体にHPVがあるか、ある場合はどの型かを直接調べます。台湾では国民健康署が民国99年(2010年)から、「36歳以上で6年以上細胞診を受けていない女性」と「30歳以上で障害のある女性」にHPV自己採取を提供し、陽性の方を細胞診につないできました。自己採取は「まず高リスク型に感染しているかどうかを見つける」第一段階で、そのあとに細胞診が続く前提の検査です。
HPVには多くの型があり、6型・11型は主に尖圭コンジローマ(性器のいぼ)を起こします。目に見える病変がある場合、採取で分かるのはウイルスの有無だけです。処置の要否と方法は医師が判断します。
医療機関での採取と、自己採取の違い
| 比較項目 | 医療機関での採取(細胞診/医師によるHPV採取) | 自己採取(自分で腟の検体を採る) |
|---|---|---|
| 結果が答えられること | いま細胞に前がん変化が出ているかどうか(必要に応じHPVの型判定を追加) | いま高リスク型HPVに感染しているかどうか(細胞は判定しない) |
| 異常があったとき | 医師が続けてコルポスコピー(腟拡大鏡による検査)や組織検査を手配 | 医療機関に戻り、細胞診またはコルポスコピーによる評価が必要 |
| 検診全体での位置づけ | 子宮頸がん検診とその後の経過観察の土台 | 受診率を上げるための第一歩。細胞診の代わりにはならない |
台湾では衛生福利部が民国114年(2025年)からがん検診を拡大し、細胞診の公費補助の対象に「25〜29歳の女性、3年に1回」が加わりました。30歳以上は3年に少なくとも1回が勧められ、35歳・45歳・65歳の女性にそれぞれ1回のHPV検査が新設されています。これは台湾の健康保険(健保)に加入している方を対象とした公費の制度です。健保をお持ちでない方は、診察・検査とも自費となります。
自宅での採取は4ステップ
キットには説明書が同梱されています。以下は一般的な流れで、実際の手順はお手元の説明書が優先します。
- 準備:手を洗って乾かし、落ち着ける場所で採取用具を取り出します。
- 挿入:力を抜きやすい姿勢(片足を便座にのせる、中腰になるなど)で、採取ブラシを腟内にそっと入れます。
- 採取:指示に従って腟内でそっと数回回します(3回転が勧められることが多いです)。腟壁の分泌物を集めるためです。
- 提出:ブラシを専用の容器に入れ、柄を折ってふたを閉め、指示に従って検査機関へ返送します。
返送は説明書の期限内にお願いします。検体を長く置くと、判定に影響することがあります。
結果の読み方と、そのあとの流れ
「陰性」だったとき
今回の検体から高リスク型HPVが検出されなかった、という意味です。リスクがゼロという意味ではありません。自己採取では細胞の変化は分からず、採取の方法やタイミングも結果に影響することがあります。その後も、勧められた間隔で細胞診を受けてください。
「陽性」だったとき
高リスク型が検出されても、がんという意味ではありません。多くの感染は、時間の経過とともに自然に消えます。次の段階は、産婦人科の医師による細胞診、必要に応じてコルポスコピー(腟拡大鏡による検査)で細胞の変化を確認し、その結果で経過観察の間隔を決めることです。
日本の厚生労働省のリーフレットでも、女性の性感染症の受診先として産婦人科が案内されています。台湾でも、細胞診やコルポスコピーは産婦人科の医師が行います。当院で高リスク型が確認された場合は、産婦人科の受診をご案内します。
ご注意:この検査試薬に含まれるのはHPVの型判定のみで、悪性の細胞変化の判定は含まれません。
ワクチンと検査は、別のもの
ワクチンは予防で、まだ感染していない、カバーされている型にのみ働きます。検査の代わりにはならず、すでにある感染を消すこともできません。接種が適しているかどうか、何回必要かは、年齢と接種歴をもとに医師が判断します。
日本では、HPVワクチンの積極的勧奨が2013年6月に差し控えられ、2022年4月に再開されました。キャッチアップ接種の公費期間は2022年4月から2025年3月まで、経過措置も2026年3月31日で終了しています(厚生労働省)。接種歴にかかわらず、子宮頸がん検診(細胞診)は引き続き必要です。
受診の流れ・持ち物
- ご予約:オンライン予約フォーム、LINE、お電話のいずれかで。
- 問診と方針の確認:年齢・検診歴・症状をうかがい、自己採取から始めてよいか、先に医師による採取と評価が必要かを整理します。
- 採取と返送:自宅で採取し、期限内に検査機関へ返送します。
- 結果の説明:読み方と次のステップをご説明します。高リスク型が検出された場合は、産婦人科の受診をご案内します。
結果はプライバシーに配慮した方法でお知らせします。待合で受診の理由をお話しいただく必要はありません。
持ち物:診療記録の作成のため、パスポート(または居留証)をご持参ください。台湾の健康保険(健保)に加入していない方は、診察・検査とも自費となります。費用は診察時にご説明します。
よくあるご質問
Q. 自己採取だけで、子宮頸がん検診を受けたことになりますか。
A. なりません。調べるのはHPVの型だけで、細胞の前がん変化は分かりません。陰性でも、勧められた間隔で細胞診を受けてください。
Q. 高リスク型が検出されました。がんということですか。
A. 違います。多くの感染は自然に消えます。次は産婦人科の医師による細胞診、必要に応じてコルポスコピーで細胞の状態を確認します。
Q. HPVワクチンを接種済みですが、検査は必要ですか。
A. 必要です。ワクチンはカバーされている型の予防で、検査の代わりにはならず、すでにある感染を消すこともできません。
関連ページ
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ご予約・アクセス
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昭安泌尿科診所(昭安泌尿器科クリニック)/台中市西區博館二街98號
住所(日本語表記):〒403 台中市西区博館二街98号|Morning Urology Clinic
診療:月曜〜土曜(日曜休診)/オンライン予約は24時間受付
本ページは昭安泌尿科診所(昭安泌尿器科クリニック)が作成しました。本ページの医学的内容の最終更新:2026年6月(繁体字版と同じ)/日本語版の作成:2026年9月1日/医療監修:陳昭安 医師(泌尿器科専門医)
出典:衛生福利部(台湾)「民国114年からのがん検診拡大」/衛生福利部 国民健康署(台湾)(HPV自己採取サービスに関する報道発表)/厚生労働省「ヒトパピローマウイルス感染症〜子宮頸がんとHPVワクチン〜」Q&A/厚生労働省 性感染症リーフレット(PDF)
本ページは一般的な医療情報の提供を目的としたものであり、個別の診断・治療方針に代わるものではありません。症状や検査結果の解釈は必ず対面の診察でご確認ください。