クラミジアは無症状が多い|性病検査のタイミングと治療後の再検査(台中)
多くの方は症状のないまま経過します。検査するかどうかは、症状の有無ではなく「最近どんな性行為があったか」で決めます。
台中市西区の陳昭安(チェン・チャオアン)医師(泌尿器科専門医)が解説します。
結論から
- 症状:多くはありません。あっても淋菌感染症より軽く、透明で少量の分泌物や尿道口のかゆみ程度です。
- 放置したとき:上へ広がると男性は精巣上体炎、女性は骨盤内炎症性疾患を起こすことがあり、妊よう性(妊娠する力)の問題と関連します。
- 台湾での扱い:法定伝染病ではなく、全国統計がありません。ただし非淋菌性尿道炎の原因として最も多い病原体です。
- 検査:核酸増幅検査(PCRなどの遺伝子検査)。症状がある日は当日、なければ曝露から1〜2週間が目安です。
- 治療のあと:約3か月後に再検査を。治っても免疫はつきません。
30秒で確認|検査を考えたい状況
統計にもニュースにも出ない感染症
台湾では梅毒と淋菌感染症が第三類法定伝染病で、2024年は梅毒9,738例、淋菌感染症7,607例と公表されています。クラミジア・トラコマティスは届出の対象ではなく、台湾に全国規模の統計はありません。数字がない、報道もされない、症状も出ない。この三つが重なることが、人から人へ回り続ける理由です。
梅毒・淋菌感染症は法律に基づき主管機関へ報告する義務があります(個人情報は伝染病防治法 §10 により守秘義務の対象です)。
症状:多くは出ない。出ても軽い
- 分泌物は透明か白色で少量。朝の最初の排尿前にだけ少し見えることもあります。
- 排尿時に軽くしみる。「少し変だが、痛いほどではない」と言われることの多い症状です。
- 尿道口のかゆみ。よくある症状ですが、いちばん見過ごされます。
問題は症状が重いことではなく、受診しようと思うほど重くないことです。様子を見ているうちに、症状のほうが先に消えることもあります。
症状が消えることと、治ることは別です。症状のない状態で体内にとどまり、人にうつす力を保ったまま上へ広がります。淋菌感染症は症状が受診を促しますが、クラミジアは促しません。
男性:精巣上体炎と妊よう性
治療されていない尿道の感染は精管に沿って上へ広がり、精巣上体炎を起こすことがあります。片側の陰嚢がはれて痛み、発熱を伴うこともあります。若く性行為のある男性の急性精巣上体炎では、まずクラミジアと淋菌を考えます。
これは精巣捻転との区別が必要です。捻転は時間との勝負で、遅れると精巣が助からないことがあります。突然の片側の強い陰嚢痛は、自宅で様子を見ないでください。
くり返す、あるいは治療されていない生殖器の感染と炎症は、精子の通り道の構造や精子の質に影響することがあります。不妊の評価で感染歴を聞かれるのは、このためです。
補足:これはしくみの説明であり、臨床評価で考慮する事柄です。一度の感染が必ず不妊につながるという意味ではありません。個々の状況は評価が必要です。
女性:骨盤内炎症性疾患
女性は症状がない割合がさらに高くなります。分泌物が増える、性行為のあとの出血、排尿時の違和感、下腹部の鈍い痛み。どれも別の原因と考えられやすい症状です。上へ広がると骨盤内炎症性疾患を起こすことがあり、慢性骨盤痛、卵管に関連した妊よう性の問題、子宮外妊娠と関連します。
「男性側で見つかったら、女性側も一緒に検査する」のは、このためです。女性側は自覚がないことが多い一方、影響はより大きくなりえます。
女性泌尿器科は泌尿器科のサブスペシャルティです。女性の排尿症状も当科で評価できます。骨盤内炎症性疾患の治療が必要な場合は、適した診療科をご案内します。
のどと直腸:静かな二か所
オーラルセックスでのどに、アナルセックスで直腸に感染することがあります。この二か所はほとんど症状が出ず、尿だけを調べても分かりません。日本の国立健康危機管理研究機構(JIHS)の資料でも、咽頭・直腸の感染は無症状が多く、核酸増幅検査が診断の基本とされています。診察でオーラルセックスやアナルセックスの有無をお聞きする目的は一つです。ぬぐい液をどこから採るかを決めるためです。
直腸ではもう一つ、鼠径リンパ肉芽腫(性病性リンパ肉芽腫、LGV)があります。クラミジアの特定の血清型によるもので、男性と性行為をする男性で報告があります。直腸の痛み、しぶり腹、分泌物、出血など症状がはっきりすることがあり、治療期間も通常よりかなり長くなります。対応が変わるので、必ずお伝えください。
検査:いつ、どこから
核酸増幅検査(PCRなどの遺伝子検査)が標準です。検体は尿(初尿)またはぬぐい液で、のど(うがい液・咽頭ぬぐい液)や直腸ぬぐい液にも使えます。
| 状況 | 時期 |
|---|---|
| 症状がある | その日に検査できます。ウインドウ期を待つ必要はありません |
| 症状はないが、ある一回を確かめたい | 曝露からおよそ1〜2週間 |
| パートナーが陽性だった | 症状が出るのを待たず、早めに |
| 治療のあと | およそ3か月後に、再感染していないかを確認 |
項目の数より、どこから採るかが大切です。尿を一つ出しただけでは、三分の一しか調べていないことになります。
検査を受けるか迷っている方へ
最後の性行為の日と形をお聞きできれば、検査が必要かどうか、どこから採るかをその場でご説明できます。
治療と、そのあと
内服の抗菌薬で治療します。台湾と海外の診療指針で中心となる選択肢はドキシサイクリンで、クラミジアによる感染症の治療は台湾で承認された効能・効果の範囲に含まれます。実際の選択、量、期間は、感染部位、妊娠の有無、薬のアレルギー歴、検査結果をふまえて医師が決めます。
- 処方された分は最後まで飲みきってください。症状が消えたところでやめるのが、いちばん多い失敗です。
- 治療期間中は、オーラルセックスとアナルセックスを含めあらゆる形の性行為を控えてください。お二人とも治療が終わるまでです。
およそ3か月後の再検査は、前回治ったかの確認ではなく再感染していないかの確認が目的です。再感染はもともと少なくなく、パートナーが一緒に対応していない場合はとくにです。
治ることと、免疫がつくことは別です。一度かかったあとも、また感染することがあります。
パートナーへの対応
クラミジアは「パートナーと一緒に対応しないと終わらない」感染症の代表です。理由は単純で、お相手はたいてい症状がなく、自分から検査を受けにいかないからです。最近の性的なお相手にも検査と治療の評価を受けていただき、双方の治療が終わるまで性行為を控えてください。切り出しに困る場合は、お相手にお渡しいただける書面の検査案内をお出しできます。
片方だけ治療すると、多くは数週間から数か月でまた戻ってきます。気持ちの問題ではなく、感染の連鎖が切れていないという問題です。
予防
有効なのは、コンドームの使用(オーラルセックスのときも)、リスクに応じた定期的な検査、そして陽性が分かったときにパートナーと同時に対応することです。
抗菌薬を使った曝露後の予防(Doxy-PEP)については、台湾での対象者と位置づけ、承認された効能・効果の範囲外の使用にあたることをDoxy-PEPのページ(中国語)にまとめています。
お薬に関する開示事項
曝露後の予防(Doxy-PEP)で用いるドキシサイクリン200 mgの単回内服は、台湾の添付文書に記載された治療の用法・用量とは異なり、承認された効能・効果の範囲外の使用にあたります。当院では処方の前に、飲み方、期待できる効果の範囲、そして知られている副作用(胃腸の不調、光線過敏など)をご説明し、使うかどうかはご本人にお決めいただきます。定期的な検査の代わりになるものではありません。
台中で検査を受けるとき
日本の厚生労働省のリーフレットでは、性感染症の受診先は「男子は泌尿器科や皮膚科、女子は産婦人科」と案内されています。当院は泌尿器科です。
当院は台湾の主管機関が公表する匿名検査の実施機関名簿に掲載されています(医事機関コード 3503241524)。匿名検査はHIV(血液の迅速検査)で、台湾の健康保険証(健保カード)も身分証明書も使わず、結果は番号でお伝えします。梅毒の匿名検査は24歳以下の若年層・学生が対象で、試薬の配分状況により提供します。対象になるかどうかは受診時にご確認ください。くわしくは匿名検査のページをご覧ください。
匿名検査では証明書は発行されません。正式な報告書が必要な方は、自費の検査をご利用ください。
クラミジアは匿名検査の対象には含まれません。匿名検査で調べられるのはHIVと梅毒です。クラミジアは通常の受診として核酸増幅検査を行い、性行為の形に合わせて採取部位を決めます。同じ日にまとめて受けることもできます。
当院は個室の診察室と動線の分離を採用しています。待合で受診の理由をお話しいただく必要はありません。
受診の流れ・持ち物
- ご予約:オンラインフォーム、LINE、お電話のいずれかで。
- 問診:最後の性行為の日と形をお聞きします。採取部位を決めるためです。
- 採取:尿(初尿)、のど、直腸ぬぐい液から必要なものを選びます。
- 結果と再検査:治療とパートナーへの対応をご説明し、約3か月後の再検査をご案内します。
診療記録の作成のため、パスポート(または居留証)をご持参ください。
台湾の健康保険(健保)に加入していない方は、診察・検査とも自費となります。費用は診察時にご説明します。
初尿を採取するため、来院の直前の排尿はできるだけお控えください。
よくあるご質問
Q. 症状がなくても検査は必要ですか。
新しいお相手ができた、コンドームを使わない性行為があった、複数のお相手がいる、パートナーが陽性だった。こうした場合はおすすめします。症状で知らせてくれない感染症だからです。
Q. 症状が自然に治まりました。治療はいりませんか。
必要です。症状が和らぐことは、感染がなくなったことを意味しません。症状のない状態で体内にとどまり、人にうつす力を保ったまま上へ広がることがあります。
Q. オーラルセックスだけでも感染しますか。
します。のどの感染はほとんど症状が出ず、尿の検査では分かりません。のどからの採取が別に必要です。
Q. 台湾に住んでいませんが、受診できますか。
受診できます。診療記録の作成のため、パスポート(または居留証)をご持参ください。台湾の健康保険(健保)に加入していない方は、診察・検査とも自費となります。費用は診察時にご説明します。
Q. 妊よう性への影響が心配です。
治療されない感染が上へ広がると、男性は精巣上体炎、女性は骨盤内炎症性疾患を起こすことがあり、どちらも妊よう性の問題と関連します。ただしこれはしくみの説明で、一度の感染が必ず不妊につながるという意味ではありません。個々の状況は評価が必要です。
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ご予約・アクセス
日本語の資料をお持ちの方は受付でお見せください。診察は中国語で行います。英語での対応も可能です。日本語は筆談・翻訳アプリでのご案内となります。
昭安泌尿科診所(日本語表記:昭安泌尿器科クリニック/Morning Urology Clinic)
403 台中市西区博館二街98号(403 臺中市西區博館二街98號)
診療:月曜〜土曜(日曜休診)/オンライン予約は24時間受付
本ページは昭安泌尿科診所(昭安泌尿器科クリニック)が作成しました。本ページの医学的内容の最終更新:2026年8月(繁体字版と同じ)/日本語版の作成:2026年9月1日/医療監修:陳昭安 医師(泌尿器科専門医)
出典:衛生福利部疾病管制署|法定伝染病の分類と届出/成人梅毒・淋菌感染症の診断治療予防指引(2025年8月)/STI Treatment Guidelines, 2021(MMWR Recomm Rep 2021;70(4))/WHO|性感染症の治療に関する更新推奨(2024)/国立健康危機管理研究機構(JIHS)|咽頭・直腸の感染と核酸増幅検査/厚生労働省|性感染症リーフレット
本ページは一般的な医療情報の提供を目的としたものであり、個別の診断・治療方針に代わるものではありません。症状や検査結果の解釈は必ず対面の診察でご確認ください。薬に関する内容は、台湾の主管機関が承認した中国語の添付文書が基準となります。Doxy-PEPの用法は、承認された効能・効果の範囲外の使用にあたります。